デジタル放送上にIPネットワークを構築する技術「IP over デジタル放送」
慶應義塾大学、KDDI、エフエム東京は、デジタル放送上にIPネットワーク環境を構築する技術「IP over デジタル放送」を開発し、この技術を利用した放送サービスの実現の可能性について、共同で検討していくことで合意したとのこと。
「IP over デジタル放送」は、デジタル放送上にIPデータを乗せて配信する技術。これにより、インターネット上のコンテンツを放送波経由で直接配信することができ、通信回線と組み合わせて、デジタル放送の同報性とインターネットの双方向性の両方のメリットを活かした新しいサービスを提供することが可能になるとのこと。
IP通信というからには、アドレスを持つ二つのホスト間で双方向に通信することがイメージされますが、放送のような片方向メディア上でIP通信を行うというのはイメージできませんでした。
よくよく見ると、このような通信を行うために、UDLR(Uni-Directional Link Routing)というルーティング技術を利用するようです。
IT用語辞典バイナリによると、
衛星インターネットでは、下り用に衛星を、上り用に地上回線を使用するため、パケットが通る経路があらかじめ明示的に指定されている必要がある。UDLRでは、ルーターを設定して上り下りともに衛星を使用するようにし、上り方向のIPパケットを送信側にあるルーターがカプセル化して地上回線を経由させる。カプセル化の際に、宛先のIPアドレスとして、衛星通信事業者の持っているカプセル化の解除が可能なルーターのIPアドレスを設定する。下りのパケットは標準で衛星経由に設定されてあるため、自動的に衛星を通る。このようにして、低速な双方向回線でリクエストを送信し、高速な片方向回線からそのデータを受信する、という動作が可能になる。
とのこと。
確かに、衛星インターネットが語られるときこのような仕組みの説明がよくありますね。。
さらにKDDIは、ここでいう双方向の地上回線として携帯ネットワークを利用しようとしているようです。
いろんなアイディアがあるものですね。。
▼KDDI(ニュースリリース)
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