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急成長するネット放送「GyaO」,システム刷新で1000万人に対応

日経コミュニケーション 2005.12.15『急成長するネット放送「GyaO」,システム刷新で1000万人に対応』

 つい最近、USENの無料インターネット放送「GyaO」がわずか8ヶ月で視聴登録者数500万人を突破して話題となりましたが、この記事では1000万人の登録者に対応するために行ったシステム刷新について取り上げられています。

 「GyaO」は私も何度か視聴したことがありますが、加入するISPに関係なく無料で見ることが出来るうえに、見たいときにオンデマンドで見ることが出来るので最近注目しているサービスの一つです。

映像コンテンツは視聴環境にもよりますが768kビット/秒程度のビットレートで、なかなか綺麗かつスムーズです。しかし、配信方法はユニキャストということもあって、普通に考えれば「ビットレート×視聴者」分の帯域負荷がGyaOやISPにのしかかる訳で、人ごとながら「システムは大丈夫か?」「どういうネットワーク構成になっているのか?」と気になっているところだったので、ジャストタイミングの記事でした。

■インテグレータと構築期間
 システム刷新の検討からカットオーバーまでの様子が紹介されています。やはりカットオーバーまでは苦労の連続だったようで、まず配信システム周りは1000万の登録者にも十分対応できるシステムということもあって、大手のシステムインテグレータでも腰が引けていたそうです。

最終的にザイオンというインテグレータに決まったそうですが、なんか聞いたことがあるような・・と思っていたら、NTTドコモのインターネット接続サービス「Mopera」のプラットフォームを構築したところでした。

肝心のGyaOのバックボーン・ネットワークですが、半ページほど使って従来のシステムと今回新設したシステムが掲載されていて、顧客管理DBやDRM管理サーバ、配信システムなど多くのサーバ郡で構成されていることが分かります。現在は新設分をあわせて3つのデータセンターで運用されているそうです。

■ネットワーク設計
 ネットワーク設計では、各プロバイダとの接続を集約するバックボーン・ルータの選定に注力したようで、1000万人の登録者を考えた場合、768kビット/秒のビットレートで試算すると300Gビット/秒をこえるため、処理能力を考慮してシスコのキャリア向けハイエンドルータ「CRS-1」が導入されました。
CRS-1は、16スロットモデルはシングルシャーシでも1.28T(テラ)ビット/秒、複数のシャーシをつないだマルチシャーシ構成では最大92Tビット/秒というスイッチング容量があります。

CRS-1はギネスブックにネット技術としては初めて世界一に認定されています。余談ですが、この92Tビット/秒という容量はあまりイメージがわきませんが、シスコ曰く次のようなことに対応出来るようです。

・10億人が同時にリアルタイムの音声とチャットを使いながらオンライン・ゲームをプレイ
・米国の全世帯(1億548万101世帯)に872Kビット/秒のブロードバンド接続を提供
・1500万人が同時に,ユーザー1人当たり6Mビット/秒のオンデマンドのビデオを視聴
・アリゾナ州の人口に相当する130万人が同時に4Mバイトの楽曲を即座にダウンロード
・およそ1万2415人が7.4Gバイトの映画を1秒で同時にダウンロード
・世界全体の人口に相当する64億人がVoIP技術を使って同時に通話

これらはある意味極端な例ですが、GyaOのバックボーン・ネットワークに求められる拡張性を考えると「他に選択肢はほとんどなかった」というUSENのCTOの話には納得ができます。

この他、記事では配信システムにNASを使って処理を高速化したという方法が紹介されていてなかなか興味深いです。

■1000万人以上への対応策
 急激なスピードで登録者数が伸びているため1000万人を超えるような場合は、配信システムより先にバックボーン・ネットワークが破綻する恐れがあるようで、その場合に検討されている対策についても触れられています。

1000万人を超えた場合は、他のプロバイダにもGyaOの配信システムを運用してもらい、広域負荷分散させることを考えているようで仕組みとしてはラウンドロビンによる単純なアクセスの振り分けではなくて、インターネットで使われているルーティングプロトコルであるBGPのAS-PATHを使った負荷分散を現在テストしているそうです。

ちなみにAS-PATHはBGPの経路情報に含まれている情報で、その経路情報を受け取るまでに経由したISP固有の番号(AS番号)がリストされています。

具体的な仕組みとしては、ユーザがGyaOに対するアドレス解決のためのDNSリクエストをしてきた際、負荷分散装置がユーザのグローバルIPアドレスとBGPテーブルのAS-PATH情報からそのユーザにもっとも近いサイトのIPアドレスを回答することによって、ユーザは最寄りのコンテンツサーバにアクセスすることが出来ます。

このあたりはCDN(Contents Delivery Network)の負荷分散技術の話で、アクセス分散のための判断基準としてAS-PATHの他に、Ping RTT(往復時間)、コネクション数、サーバ負荷などがあるようです。

 最後に一番興味深かったのは、GyaOが配信方式にユニキャストを利用する理由についてです。

インターネットでは自由にマルチキャストが使える環境が整っていないこと以外に、GyaOでは来年からユーザの好みにあったセグメント広告を挿入する予定でユーザごとに映像をカスタマイズする必要があるため、マルチキャストは使えないという理由があるそうです。これには「なるほどなぁ」と感心してしまいました。

 今回の記事は個人的に知りたかった情報が掲載されていて非常に参考になりました。同じようにGyaOの新しい配信システムに興味のある方はもちろん、それ以外の方もぜひ一度チェックしてみてみてはいかがでしょうか?

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